Mastodon 体験記

Posted on 土 18 2月 2023 in サービス

Twitter から Mastodon に移住して一ヶ月ほど経ち、あんまり Twitter に戻る気がなくなってきた。せっかくなので、備忘録と案内を兼ねて、Mastodon への移住経緯とその後のことや、いろいろ感想などをまとめておこうと思う。とりあえず、一言で言うと Twitter には多分戻らんと思うのでよろしくという感じ。

Mastodon への移住

正直きっかけは今でもよく分からない。2023/01/30 に毎度ながら Twitter を開いて TL を見てたんだが、ふと寂しさを覚えた。割と、流速は速かったと思うので人がいなかったわけでも無さそう。そもそも「フォロー中」のタブが増えてから、割と Twitter で寂しさを覚えることは多かった。凍結騒動で色んな人が凍結され Mastodon に行ったみたいなことも聞いていたので、なんかあまり「フォロー中」のタブの人口がいないことが原因なんじゃないかみたいなのを思ったりした。自分が知らない間にみんな Mastodon に移行しており、僕だけ Twitter に取り残されてるんじゃないかという焦りが生まれ、とりあえず Mastodon を覗いてみることにしたという感じだ。これが最初のきっかけ。なお、実際に Mastodon に移行してみて分かったことだが、それほど移行した人は多くなく、Twitter の方がまだまだ人口は多い。つまり、寂しさの原因は人口ではないということだ。これについては後で考察する。とりあえず、きっかけはそんな雑な感じだ。

さて、そもそも僕は Mastodon にあまり興味がなかった。3年前くらいに話題になった時、アカウントを作って見たことはあった。が、使い方がよく分からなくて、それを調べるモチベもあまり生まれず、そのまま放置していたという感じだ。なんかサーバが各自で立てられる、Twitter 似の単文 SNS ぐらいの認識で、Mastodon に参入したわけだ。3年前くらいに作ったアカウントをそのまま動かす気にはなれず、少し前から気になっていた Vivaldi Social (https://social.vivaldi.net/) というところにアカウントを作ってみることにした。さて、ここで予備知識、というか僕は Vivaldi Social に入ってから身につけた知識だが、Mastodon というのはサーバソフトウェアの名前だ。GitHub 上に AGPL 3 or later でソースが公開されており、多数のコントリビュータによって開発されている。このサーバソフトウェアをインストールし、運用されているサーバが Mastodon インスタンスと呼ばれるもので、世界に無数にあるし、それぞれ入っているソフトウェアのバージョンも、管理人も、運用環境も異なる。中には、プログラムに独自の手が加えられたものも存在する。このようなインスタンスそれぞれに、ユーザがおり、それぞれ相互にやり取りをしている。公式 の可愛らしいイメージを拝借してくると、以下のような状況というわけだ:

Mastodon の公式イメージ (AGPLv3 Licensed)

Vivaldi Social はそうしたインスタンスの中の一つで、ブラウザでお馴染み Vivaldi が管理する Mastodon インスタンスだ。Vivaldi アカウントがあれば利用できる。Vivaldi ブラウザでは、サイドメニューに標準で自己主張激しめの Vivaldi Social へのリンクが置かれている。Vivaldi は利用することがたまにあり、信頼感は少しあって、まああとは成り行きで Vivaldi Social を利用することにした。それまでアカウントは作る必要性を感じてなかったので作ってなかったが、この機会に作った。なお、Mastodon インスタンスは他にもたくさんある。例えば、僕の知ってるものでは以下のようなものがある:

Mastodon開発チーム運用鯖 (https://mastodon.social/)
Mastodon開発チームが運用するインスタンス。誰でも歓迎。時々新規登録を閉鎖している。
Mastodon日本鯖 (https://mstdn.jp/)
元々、ぬるかるさんという方が個人で運用していたインスタンスで、誰でも歓迎というスタンスのインスタンス。ユーザ数が多く、また色々管理人が変遷していて、サーバ運用の難しさを感じる。
Pawoo (https://pawoo.net/)
Pixiv が作ったインスタンス。創作活動推しで、ユーザ数が多く、やはり色々管理人が変遷している。
Fedibird (https://fedibird.com/)
のえるさんという方が運用するインスタンス。Mastodon に独自の機能を色々加えたサーバを運用しているのが特徴。
Medium鯖 (https://me.dm/)
ブログサービスでお馴染みの Medium が最近立ち上げたインスタンス。
セキュリティ情報共有鯖 (https://infosec.exchange/)
情報セキュリティ界隈の人たちが集まるインスタンス。Signal といい、情報セキュリティ界隈の人にはやっぱ透明性が担保されたツールへの需要があり、Mastodon はそこにマッチしたという感じか。

他にも多数の鯖があるし、個人で鯖を立てて SNS に参加している人も多い。僕はそんな壮大なネットワークの一角に参加したというわけだ。ネットは広大だわ。で、Vivaldi Social に入ってみた。以下は Vivaldi Social の画面:

Vivaldi Social の画面

今は面影はないが、当初はサイドメニューにあるホームのページが開いており、何も表示するものがない旨が表示されていたと思う。僕は最初、とりあえずサイドメニューにある項目を次々と開いていった。そうすると、2つだけ何かしらが表示される項目があった。それが「ローカル」ってやつと「連合」ってやつ。調べたところによると、Mastodon には Twitter と違って4つのタイムラインがあるらしい:

ホーム (HTL)
自分専用のタイムライン。自分のトゥート (Twitter でいうツイート) やフォローしてる人のトゥート、フォローしてる人がブースト (Twitter でいうリツイート) したトゥートが流れてくる。Twitter の「フォロー中」のタイムラインと同じ。
ローカル (LTL)
インスタンスのタイムライン。そのインスタンスに参加している人のトゥートが流れてくる。
連合 (FTL)
インスタンスに繋がっているユーザのタイムライン。ローカルに加えて、インスタンス内のユーザからフォローで辿った先のユーザのトゥートも流れてくる。自分が所属するインスタンス以外のインスタンスを、自分から見てリモートインスタンスというが、連合は自分が所属するインスタンス内の誰かがフォローしていれば、リモートインスタンスのトゥートも流れてくるというわけだ。これは、インスタンスから見たネットワーク全体のタイムラインということになるだろう。
ハッシュタグ
これは、上記サイドメニューに直接は項目としてないが、「エクスプローラ」という項目から辿った先のハッシュタグから覗けるタイムライン。Twitter のハッシュタグなどと同じく、ハッシュタグをつけた連合内のトゥートが流れてくる。活用方法は後述する。

というわけで、ホームは伽藍堂でハッシュタグは仕組みをあまり知らず、結果ローカルと連合でなんか流れてるなーと眺めてる存在になった。で、数分間そうしてなんとなく探検は終わった感があったので、トゥートをしてみることにした。記念すべき第一トゥートはこちら:

https://social.vivaldi.net/@mizunashi/109778117918755023

記念すべき第一トゥート

ところでこのトゥートを見てみると星マークに 5 という数字が並んでいるのが分かると思う。これは Twitter のいいねと同じ、お気に入り登録を 5 人のユーザがしてくれたということを表している。フォロワーが誰もいないのにお気に入りが 5 個付くのは、LTL / FTL がある Mastodon ならではだろう。ただ、僕は最初そもそも LTL / FTL などという仕組みすら知らなかったので、多少慌てた。どうやら、僕の雑な何気ないトゥートは不特定多数の人に見られたようだ。何も気づかないでこのままやべートゥート連発していたら、大惨事だ。さて、Mastodon は流石に全トゥートが LTL に流れるわけではない。トゥートの公開範囲は制御できるし、それも Twitter よりかなり細かく制御できる。Mastodon にはまずトゥート自体に以下の 4 つの公開範囲を設定できる [1]:

公開
ログインしてない人でもパーマリンクを知っていれば見れる。僕の第一トゥートはこれになっていた。通常地球儀マークが表示される。フォロワーの HTL に配信される他、LTL / FTL にも配信される。誰でも自由にブーストできる。
未収載
基本公開と同じだが、LTL / FTL には配信されない。錠が外れた南京錠マークが表示される。
フォロワー限定
名前の通り基本フォロワーだけしか見れない。基本というのは、メンションした人にも特別に見れる仕様らしいので。フォロワーの HTL とメンションした人の通知欄にのみ配信される。自分以外はブーストできない。Mastodon でも Twitter の鍵垢と同じくフォローを承認制にすることができ、そうすると自分が承認した人しか見れないようになる。だが、承認制にしない場合はフォローは自由にできるので、フォロワー限定は基本見ようと思えば見れる。なお、名称が途中で変わったらしく、非公開という単語が昔は使われていたっぽい。こっちを使っている界隈もまだ結構あるようだ。
ダイレクト
Twitter の DM とほぼ同じだが、Mastodon では通常のトゥートと区別がないようだ。メンションした人にだけ見れる。メンションした人の通知欄にのみ配信され、ブーストはできない。Twitter と同じく UI 的にはタイムラインが分かれているようだ。使ったことがないので使い勝手は分からない。

これはトゥートごとに設定でき、トゥートする時に変更できる。もちろんデフォルトの公開範囲設定もあり、ユーザ設定で指定できる。Vivaldi Social では、以下の設定ができた:

プライバシー関連のユーザ設定項目

これは僕の設定だが、個々人にあった設定をまずは行うのが良いだろう。僕は第一トゥートの後慌ててこの設定項目を見つけ、色々設定できることを知った (行き当たりばったりライフ)。無事公開設定を理解し、意識的に公開を選んでのトゥートが以下:

https://social.vivaldi.net/@mizunashi/109778240439598295

三番目のトゥート

これで無事挨拶を終え、その後はネットの海で未収載設定で潜伏しつつ、好き勝手なことを人様の迷惑を考えず垂れ流している。

さて、初日にもう一つやったことがフォローを増やして HTL を拡充させることだ。一番最初のフォローは、おすすめユーザという欄で唯一知っていた「数学ガール」作者の「結城浩」さん。とりあえずフォローポチっておいた。その後は、Twitter でアカウント開設告知しつつ Masaki Hara さんとかのフォロー欄から辿ってって見たことあるアイコンをフォローしていき、またそのフォロー欄辿るみたいなことしてた。もっといい方法あるのかもしれないが、今もその戦略とって人探してる。初日はそんな感じで終わった。

2日目はクライアント探し。Mastodon がサーバソフトウェアであることは言ったが、こいつには標準の Web UI も付属でついている。ただ、外部クライアント用の API も用意してあり、自由にクライアントソフトウェアを作成してそこでタイムラインを覗いたり、フォロー、トゥートなどが行える。まず、PC 用のクライアントとして TheDesk (https://thedesk.top/) というクライアントソフトウェアを見つけ、インストールしてみた。これは今でも愛用しており、非常にお世話になっている。今の僕の TheDesk の画面はこんな感じ:

僕の TheDesk の表示

このように Tweetdeck のような、あるいはそれより複雑なタイムライン表示ができる。ローカルは、人がいて常に色々会話されていて、SNS に人がいることを実感できるので表示している。フォローが少ない時は重宝していたが、最近はなくてもいいかなという気持ちになりつつはある。他はリストという機能を使っていて、これについては後で少し触れる。

デスクトップ版はこれでいいかなとなって、モバイル版もいくつか探した。iOS は色々探したり教えてもらったりして Ivory にいきつき、とりあえずこれを使ってみている。Ivory は Tweetbot の開発元が作成した iOS 版クライアントソフトウェアで、インストール・閲覧だけなら無料ででき、投稿などは有料のサブスクリプションが必要になる。とりあえず、僕はサブスクリプションには入らないで閲覧機能だけ使っている。使い勝手やデザイン的には、Twitter の公式アプリとあまり変わらない。Android の方は Subway Tooter というアプリを使っている。このアプリは結構癖があるが、個人的にはアクセスしている API がローディング時に表示されることが魅力的で使っている。これはソフトウェア技術者ならではの感性な気がするが、ログが出ているとなんとなくやっていることが分かって安心感がある。基本的な機能も揃っているため、機能面で困ることはあまりない。ただ、やっぱりモバイル向けだとデザイン面で辛いことが多いというのはある。画面が小さいし、タップでの操作が基本になるが、結構要素が多くて誤タップなどを誘発しがち。そこの操作感は微妙に感じることはある。とりあえず、基本は TheDesk を常用してるので、モバイル版はあまり使い込んでなく、不満を持つ機会が少ないというのはある。その内感想が変わっていくのかもしれない。

その後はフォロー増やしたり、色々調べたり、時折トゥートしたりしてしばし過ごす。そんな中で探していたのが、ニュース系のbotアカウント。僕は Twitter は最近 SNS というより社会情勢を知る道具として使っていたところがあった。そこら辺の機能の代替が欲しかったわけだ。その結果見つけたのが以下のアカウント達:

特務機関NERV (https://unnerv.jp/about/more)
Twitter でフォローしてる人も割といるんじゃないかと思うが、災害情報、鉄道情報、NHK ニュース速報などを配信しているボットアカウント。Mastodon では https://unnerv.jp/@UN_NERV を起点に、情報ごとにブーストするアカウント群があり、そちらをフォローすれば気になる情報だけ購読できるようだ。元ネタは新世紀エヴァンゲリオン。
毎日新聞ニュースbot (https://u-tokyo.social/@mainichi_bot)
毎日新聞のニュース速報 RSS を配信しているボットアカウント。
震度速報 (https://mastodon.social/@quaketelop)
気象庁の速報情報をもとに、地震の震度速報を配信しているボットアカウント。
News Selection (https://mastodon.social/@newsselection)
Twitter で話題になったニュースを配信してるボットアカウント。出自はいまいち分からん。

他にゲーム情報や為替情報を配信しているボットアカウントなども探したけど、見つからんかった (というか探し方がよく分からんかった) のでとりあえずこれだけフォローしてる。自分で作ってみるのもありだなあとは思っている。で、そういうボットアカウントをフォローしまくると、HTL がかなりごちゃごちゃしてくる。そこでリスト機能を使い始めるようになった。リストは Twitter のリストと基本同じだが、非公開リストしか作れないっぽい。後、リストにはユーザを追加してからのトゥートしか保持されない。僕はとりあえずメインのリスト作って、基本そっちの TL を見てる。TheDesk で HTL も置いといて、そこに流れてくるのでメインに入れたいなと思ったやつはメインに入れてる。モバイルとかではメインリストのしか基本見ないかな。

さて、そんなこんなで色々環境を整備しつつ TL を見ていた Mastodon 生活一週間目ぐらい、ようやく実はこの SNS に繋がっているのは Mastodon インスタンスだけではないことが分かってきた。どうやら僕が参加した世界は、W3C で標準化された ActivityPub というプロトコルでやりとりするサーバが、群雄割拠しているネットワークだった。そして、そこにいるサーバは Mastodon インスタンスだけではなく、他にも様々なサーバがいて、それぞれに特色を持っていた。僕が参加しているネットワークは Mastodon ネットワークではなく、ActivityPub による Fediverse という名前のネットワークだったっぽい:

Fediverse の外観

Fediverse には Mastodon 以外にも様々なサーバソフトウェアが繋がっている。主に僕が知っているものが以下:

Misskey
最近有名なので知っている方も多いと思うが、しゅいろさん (https://misskey.io/@syuilo) という日本の方が作成、メインで開発しているやっぱり Twitter 風のソフトウェア。日本人開発者がメインということもあり、サーバの運用者、登録者も日本人が多い印象がある。個人的には、他の ActivityPub サーバに比べ先をいっている印象があるが、僕は使ったことないので詳しいことは分からない。
Pleroma
Elixir で開発されている Twitter 風のソフトウェア。Mastodon などと比べて軽量という噂。やっぱりよく知らない。
GNU Social
結構歴史が古めの Twitter 風のソフトウェア。お馴染み Free Software Foundation 管理。ただ、あまり開発が活発ではなく、バグも多いようだ。
Pixelfed
Instagram 風の写真特化型 SNS ソフトウェア。そもそも僕はインスタやったことがないので、使い勝手がまるで想像できない。
Frendica
Facebook 風の SNS ソフトウェア。こっちも僕は Facebook やったことがないので、使い勝手がまるで想像できない。
Wildebeest
最近 Cloudflare が出してきた Mastodon 互換のソフトウェア。ActivityPub は基本相互のやり取り、フォローなどの基本的な機能しか策定されていないため、ここまで上げたソフトウェア達はそれぞれ独自に ActivityPub を拡張している。Mastodon ももちろん独自拡張を加えており、それに対応しているというのが Wildebeest の特徴になる。まだ出たばかりで機能が薄いという噂。

もちろん Fediverse に繋がっている人の中には、自身で一からサーバ書いて繋げてる人などもいるし、それぞれのソフトウェアをフォークして、独自の機能を追加している人などもいる。うまく繋がっていないサーバもいれば、協調路線を組んでいるサーバもいるし、それぞれが独立ながら相互に協調して発展していっているというのが現状のようだ。これは僕にとってはかなり衝撃的で、しかも魅力的だった。そもそもこの頃には、僕は Mastodon には様々な Twitter の未来をいく機能があることを知り、あまり Twitter に戻る気がなくなっていた。ところが、さらに Mastodon の機能の未来をいくソフトウェアや、全く毛色の異なるソフトウェアがネットワーク内には色々いたのだ。しかも、それにも不満があれば、自分でサーバを書き、それを繋げられる。これは Twitter やインスタ、Facebook、Tiktok などには成し得ない世界だろう。さらには、Tumblr が ActivityPub 対応を匂わせており、商用サービスが標準化されたプロトコルを喋ってくる日がくる可能性もある。

さて、ここまで Mastodon と Fediverse の世界に感銘を受け、毎日が感動の連続みたいな感じだったが、もちろん Fediverse は理想の世界ではなく現実のものであり、素晴らしい構想と発展性の影には、様々な問題も存在している。詳しくは後述する。さて、始めて2週間ぐらい、Fediverse のメタ的な話題を追うために、鯖缶や開発者などをフォローして TL を追うようになって分かってきたのは、Fediverse ノードの管理者は癖が強い人が多いということだ。実は正直なところ、Mastodon を始める前、僕が Mastodon に抱いていた印象は、機能は Twitter 劣化だが、分散的で、自由で、寛容というものだった。これは基本的に Twitter アンチテーゼとして生まれたという喧伝の影響が強いのだろう。ところが、Vivaldi Social で生活しているうちに、これはほぼ詐欺であることが分かってきた。

実際には、Fediverse も Twitter と同様ポリコレに侵されており、当然法の下での秩序を保つ義務があり、モデレーションが行われている。さらには、Fediverse ノードは個人の運用者が多く、Twitter のようにコストもあまりかけられないし、感情で動く人も多い。結果、治安は個々個人の裁量と妥協に委ねられることになる。これは、時に Twitter よりも強い縛りをもたらすことも多い。もちろん、それに不満があれば、個人のインスタンスを立てたり、他のノードに移ると言ったことは可能で、実際これを盾に個々の価値観で強権的な規則を敷くノードも多い。ただ、個人のインスタンスを立てたり、他のノードに移ることには、もちろんそれなりのコストとリスクが伴う。Fediverse の自由とは、あくまでそれなりの対価を支払う覚悟がある人にもたらされるものであり、寛容とは寛容でいられる範囲であれば寛容というわけだ。実際、このような実態は幾つか問題を起こしている。有名なものが Pawoo 国交断絶事件 [2] だが、Fediverse 界ではその手の事件が日夜起きている。まあ、Twitter などと違って、管理人が星の数いるわけだ。その分トラブルの種も多いのは当然と言えるだろう。また、これらのトラブルに嫌気がさしたり、コストに見合わないとして、多くの管理者が撤退している。

さらに、Fediverse はかなり薄氷の上に立っているという印象もある。皮肉なことに分散的に各個人がノードを建てることにより、「規模の経済」の法則が効かなくなり、全体的に Fediverse 運用コストは上がっている印象がある。運用コストが上がるということは、同じコストで運用できる機能が限られるということで、機能の中には冗長性とか安定性といったものも含まれる。つまり、分散的な Fediverse は、中央集権的な Twitter よりも脆弱で不安定であるということだ。もちろん、これらの問題を解決すべく、いろいろな取り組みはあるが、あまり解決に至っている印象はない。実際、この数週間の中で Pawoo がかなり不安定になり、一時接続できない状態になり、多数のユーザが他のノードに流入する事件があった。結果、他のノードもリソース増強を迫られる事態となった。結果的にこれは商用サービスにとっては好機となったと言えるだろう。

ここまでの一連の流れを見た僕の、Fediverse に参入して2週間目のトゥートがこちら:

https://social.vivaldi.net/@mizunashi/109851262694371031

Fediverse の宣伝に関する感想

で、Fediverse に嫌気が刺したかって? 別にそんなことはない。今や Twitter も安定的ではないし、Fediverse の各サービスが Twitter 風のサービスを独自に発展させ、かなり魅力的な世界を構築していることは揺るがないわけで、Fediverse の政治的な問題とは一線を画しつつこの魅力的なネットワークに参入する価値はあるだろうと思っている。

さて、こうして時間はどんどんこの記事を執筆している時間帯へと近づいてくるわけだ。さて、最近はある程度 Mastodon の使い勝手が分かってきて、純粋に Fediverse の世界を楽しみつつある。ただ、新しい発見が全くなくなったわけじゃない。最近ようやく分かってきたのが、公開トゥートとハッシュタグの活用法についてだ。

僕は基本これまで未収載トゥートしかしてきてない。最初の右も左も分からない状態での公開トゥートはともかく、僕の中ではあまり公開トゥートでフォロワー以外に情報発信をするモチベはなかった。また、Vivaldi Social は割と LTL での会話が発展していて、常に一部日本人同士で公開トゥートでのやり取りが行われている。これは見てて楽しいが、僕にとっては参入するモチベはあまりなかった。公開トゥートを行うと、自然 LTL にトゥートが流れるため、LTL の会話を遮ってしまうことになる。そうまでして何か公開トゥートがしたいという動機がなかったのだ。ただ、最近この動機をハッシュタグに見つけつつある。

ハッシュタグタイムラインは、テーマを絞ったタイムライン作成を援助する機能だ。ただ、こいつは公開トゥートしか基本載らない。そのため、そこまで活発に活用されている印象はない。それは前述の LTL を意図せず遮ってしまうという側面によるところもあると思っている。多分これはそれほど間違った観察ではなくて、Fedibird では実は LTL を廃止し、公開タイムラインは基本ハッシュタグタイムラインで構築する運用にしているようだ。これは面白いし、向かうべき方向性に思える。つまり、ローカルでの会話をしたかったらインスタンス名つけたハッシュタグをつければいいし、そういう補助をするような UI を持ってもいいだろう。今の LTL の仕組みは、ローカルでの会話から抜け出して別の会話、それも連合全体でテーマに絞った会話をしたくなるみたいな状況には対応できない。しかし、全てハッシュタグ運用にすれば、またそれ用のハッシュタグを持ってくればいいわけだ。実際、Twitter の実況タグなどはそういう使い方がされてるだろう。公開で緩い連帯に基づくグループ会話にハッシュタグは活用でき、好きなタイミングで閉じたり再開でき、また参加をしたりやめたりをできる。さらには、同時に複数のタイムラインで会話が実現できるというのは個人的には割と欲しい機能だ。このような世界は、Fedibird で既に実現されてるらしいし、Misskey でもそれ用の機能があると聞いている。現状僕に対してこれを阻んでいるものは Vivaldi Social の LTL だけなので、ちょっとそういう世界に行ってみたくて近々引っ越しを画策している。個人で運用する Mastodon インスタンス、またはその他のサーバにするか、Fedibird などに行くかは決めてないが、多分近々どっちかに移るかもという感じ。

ここまでが、今の所の僕の Mastodon 体験記ということになる。

Mastodon、あるいは Fediverse の魅力

Mastodon には商用サービスにも負けない機能、他のサービス以上に魅力のある機能、他のサービスにはない問題点があることがこれまでの体験記を通してなんとなく分かってもらえただろうか? ここではさらに Mastodon の魅力を整理して、言語化してみたいと思う。

一つ断っておくと、これは個人的な価値観による考察で普遍的には通じない、つまり今この記事を読んでいるあなたに通用する考察ではないかもしれない。また、Twitter より Mastodon の方が優れているという話でもない。単に僕が Mastodon について魅力に感じている点をピックアップして紹介しているだけで、Mastodon にはもちろん改善した方がいいと感じる点もある。これは後述する。また、将来に渡って通用する話でもないかもしれない。僕はまだ Fediverse に所属して一ヶ月経っていないため、かなり浅い考察になっている部分はあるだろう。それは踏まえて読んでもらえると良いだろう。

実は僕はここ数年ほど Twitter はあまり呟かなくなっていた。これは僕自身あまり呟くことがない、あるいはその時間がないのだろうと思っていた。ところが、Mastodon を始めてみてこの考えは変わった。どうやら、Twitter は僕にとって呟くことに魅力がなくなってしまったサービスだったようだ。正直この理由はあまりうまく言語化できない。というのは、この原因が自分でもあまりよく分かってないからだ。ただ、いくつか思い当たることはある。まず、Mastodon は明らかに Twitter より安心して呟くことに関して的確な支援が多い:

投稿の公開範囲指定機能
これは先の体験記で話したとおりで、Twitter にも似たような機能はできたが、微妙に使いにくい。
投稿の自動削除機能・インデックス拒否機能
これは僕は使ってないが、これがあると安心して投稿できるという人はちらほら見る。まあ、自分がなんも考えずに呟いた投稿が、永遠にインターネットに残り続ける可能性があるというのは結構恐怖という気持ちはわかる。
投稿警告機能
投稿に関してデフォルトでは警告文のみを出して、投稿全体はボタンを押さないと見れないようにする機能。これによりネタバレ投稿や、他人から見て不快に感じる可能性のある投稿にワンクッションいれることができるようになる。これも、安心して投稿できる範囲を増やすという意味で魅力的な機能だ。
投稿文字数制限の大幅な引き上げ
Twitter は最近投稿文字数上限を 280 文字に引き上げたらしいが、Mastodon は 500 文字が普通だ。これにより詳細な説明が必要な投稿を気にせずできる。さらに、各クライアントには長文トゥートの折りたたみ機能なども提供されていて、長文投稿による迷惑もあまり考えなくて良い。

基本的にユーザの価値観というのは個々で違うわけだが、そのそれぞれの価値観の反映が、Twitter のような集権的サービスよりも、Fediverse では個々のソフトウェアへの反映となって形に出る幅が広いと感じる。これらの機能は Mastodon が当時から持っていたわけではなく、発展的に採用していったもので、また他のソフトウェアからの影響も多大に受けていると思われる。つまり個々の発展性による多様な価値観の受け入れと、それに対する機能開発の迅速さというのが、個人的な Fediverse の大きな魅力だ。

ただ、これらの支援もさることながら、Twitter の「おすすめ」タブ機能がないというのもどうやら Mastodon で僕がよく呟くようになった要因のようだ。これは Twitter にいた頃には全く意識したことがなかったのだが、Twitter のおすすめは閲覧材料としては優れているのだが、コミュニケーションネットワーク支援としてはかなり悪いアイデアであるようだ。というのは、おすすめにはフォロワーよりも今話題の人や広告、過去のツイートなど、かなり今の自分とかけ離れたものが流れてくることが多く、基本コミュニケーションが成り立たないものが多い。そうなると、自分のツイートへの反応なども迷子になりがちで、また自分の相手への反応も相手がおすすめタブを見ていると伝わらないといったことが起きやすく、反応がいいねとリツイートだけでしか推しはかれなくなる。Twitter を SNS としてみた時、この機能はコミュニケーションを阻害するように働くので、結果的に大きく SNS の魅力を削ぐことになる。逆に言えば、おすすめ機能がない Mastodon はほとんどの人が HTL を見に行くわけで、少なくともそのような阻害要因が一つ除かれていることになる。そうなると、Twitter より SNS としては魅力のあるプラットフォームになるのだ。これはどっちかというと Twitter が下手を打っているという話な気がするが、まあ Twitter と比較した Mastodon の魅力と言っていいだろう。実際僕は Twitter から Mastodon に移ってからかなり投稿数が増え、これが定着の一つの要因となっている。

もう一つ、これも Twitter にいた頃は考えもしなかったのだが、Twitter が人間工学的に下手を打ってそうな部分がある。それはタイムラインの密度だ。体験記の初動で、Twitter のタイムラインに寂しさを覚えたというのが、僕が Mastodon への移行をする直接の動機となったという話をした。実はこれは、少し研究してみて、どうやらタイムラインで一度に見れる投稿が少なく、特に自分に関係がある投稿が少ないことが関係していることが分かってきた。Twitter の公式 Web は結構でかい OGP 表示や、画像・動画表示を愚直に行うし、広告の表示もタイムラインに行う。これはもう一つの公式 Web UI の Tweetdeck では少し緩和されてるもののやはり同じ傾向にあり、あまりカスタマイズもできない。そうなると自然、画像・動画投稿や、リンク投稿が増えると一度に表示される投稿は少なくなる。どうやらこれが寂しさを感じる原因となっているらしい。特に、あまり意味のないヘッダ画像を OGP に据えるサイトが多い中、そういうサイトのリンク投稿が結構多い時にそれをそのまま表示してしまうと、かなりタイムラインを空虚にさせる原因となるようだ。これは Mastodon でも解決されてるというわけではないのだが、TheDesk を使うことで僕は割と解決した。TheDesk の長文投稿折りたたみ機能と、画像のクロップ機能を使うことで、Mastodon 側のタイムラインはかなり密度を保てており、これは結構僕的には定着率向上に貢献している。また、TheDesk が URL の概要表示をそこまで積極的にしないというのも大きい。これは、エンゲージメント減少には繋がっているかもしれないので、ビジネスとの兼ね合いで見たときには微妙かもしれない。また、これは個人的な価値観によるところも大きいのかもしれない。だが、少なくとも僕にとってはかなり致命的だったわけだ。

また、Fediverse 全体の魅力として、やはり運用者が個々におり、ソフトウェアも多数あり、選択肢の幅が広いというのも一つの魅力だ。特に Mastodon には引っ越し機能があり、多少のリスクはあるが、ノードを移動して別のとこにいく支援を受け入れられるという点も良い。これはいざという時の保険にもなるし、発展性の一つの支えにもなっていると思う。引っ越し機能を使っているユーザは結構多いし、気軽に使える。こうして、それぞれのノードの文化を取り入れつつ、自身の今の状況にあった場所をその時々で見つけられるというのは Fediverse ならではの魅力だと思う。

Mastodon、あるいは Fediverse の課題

もちろん Fediverse には課題も多い。それについても言語化しておこう。

もう一回念のため断っておくと、これは個人的な価値観による考察で普遍的には通じない、つまり今この記事を読んでいるあなたに通用する考察ではないかもしれない。また、 Mastodon が向くべき方向性を間違っているという話でもない。単に僕が今の Mastodon について感じる不満を書いているだけ。また、将来に渡って通用する話でもないかもしれない。僕はまだ Fediverse に所属して一ヶ月経っていないため、かなり浅い考察になっている部分はあるだろう。それは踏まえて読んでもらえると良いだろう。

まずこれは多分異論が出ないと思うのだが、今の Fediverse は検索性がかなり弱い。これは Twitter での経験があるというのも大きいだろうが、辿り着きたいと思ったタイムラインやトゥート、ユーザにたどり着けることがあまり多くない。そしてこれはかなり需要があるだろう。では、なぜ実現できないのか? 技術的な問題というのも確かにあるだろうが、個人的にはやはり資本力の差が大きいと感じる。多分検索機能は大体やればできる。要は Fediverse のトゥートに限った検索エンジンを作ってしまえばいいだけで、課題も多いだろうが、解決できないというほどでもないと思っている。にも関わらず、そのような機能が現れないのは、一つには検索エンジンは技術的にはそう難しくないのだが、運用コストがバカにならないという問題があるからだと思っている。体験記でも述べたのだが、Fediverse は金で殴れない分それがもろに効いてくる部分で結構脆弱である。これを技術だけで解決できればかっこいいのだろうが、なかなか難しいところだろう。

検索が弱いというのもそうだが、Fediverse は全体的に繋がりを作った後の支援機能は多いのだが、繋がりを作る部分についての機能が薄いと感じる。おすすめのユーザやトレンドはそこまで機能していないと思うし、検索性も薄く、さらにはユーザがそれぞれのリモートサーバに散らばっていることを考えると、Twitter より的確にユーザやクラスタを探すのはかなり難易度が高いと思う。少なくとも僕は結構苦労している。これは、繋がりを増やしたいという動機を持っている現ユーザが少ないのもありそうだが、新規参入者では結構問題になるだろうなとは思っている。こういう新規参入支援が薄い部分は、やっぱビジネスでやってる商用サービスと違うところだなとは思う。

さて、もう一つ、おそらく結構な人数の間で Fediverse が選ばれない、あるいは離脱者が多い理由に人口があると思う。これは、まあ解決すべきかと解決できるのかという問題もあると思うが、ただここで言っているのは単純な人口の話というより、網羅率というか、今の Fediverse には参入できない人が多く、また今の Fediverse の正確な人口に比して、それを感じられる機会が少ないという感じの話だ。

まず、現在の Fediverse はかなり参入障壁が高いと思っている。幾つか理由はあるがやはり分散性がかなり効いていると思う。分散的であるということは、それだけ扱う対象が増えるという話で、これは検索性の阻害にも繋がっているわけだが、そもそも対象が一つしかないものより対象が複数のものの方が学習コストは高くなるという問題もある。そうなると自然、学習コストが低いものよりもサービス開始につながらないユーザは増えるわけだし、サービス開始ができてもその後の体験の向上に繋がるまで時間がかかるだろう。また、知らなければいけないこともかなり増える。例えば、この記事はかなり技術的知識を前提に書かれているわけだが、世間のほとんどの人にとってちんぷんかんぷんな説明も多いだろう。Fediverse において、そういう技術的知識込みでの説明を入れないと物事が正確に説明できない場面が多いと感じる。もちろん、それは時間をかけて説明を噛み砕けば解決できるのだろうが、そこまでのコストを払って啓蒙を行う人は少ないだろう。また、啓蒙を行ったとしてそこに辿り着く導線を作れるかというのも問題になる。Mastodon の UI もところどころ結構リテラシーの高さを要求してくる部分があり、割と足切りラインはありそうと感じる。まあ、その分治安が保たれるという見方はできるかもしれないが。

また、検索性がないこともあって、どの人がネットワーク内にいるか把握しづらく、実際より人口がいない印象を受けやすいという面もあると思う。繋がりを作るのにも割かしコストがかかるので、そのまま馴染めず、離脱する人が多いのだろう。この辺の導入支援が少ないのは、ビジネスでやってないサービスの共通点で弱いところではあると思っていて、まあそれはそもそもそこに動機がないからだが、だからこそ成長が遅いという側面はありそうだ。基本 SNS の魅力として人口はかなり大きいと思う。個人的には、そこに動機がないことが今回分かったのだが、大多数の人にとっては友達が使ってるから繋がりを持つために自分も使ってみるというのが動機としては大きいだろう。僕としても、もし人口が多く Mastodon 並に魅力的な機能があれば、多分そっちに流れるだろう。逆に言えば人口は Fediverse の生命線になり得るということで、課題の一つに挙げておいてもいいんじゃないかと思う。

さて、最後が Mastodon のキャッチである「売り物ではないソーシャルネットワークサービス」というものに対してだ。正直僕が最近まで Mastodon を敬遠していたのはこのキャッチによるところが大きいと思う。これはおそらく僕の価値観によるところが大きいのだろうが、ビジネスで運用されていないサービスほど胡散臭いものはないというのが僕は思っていて、その価値観で言うと Mastodon はそもそも思想からして色々反しているわけだ。まず、どこの国の法でも大体そうなのだが、非営利で運用しているサービスというのはある程度免責される部分が出てくる。逆に営利企業には様々な制約が法律レベルでかかり、まともな企業であればそれを守らざるを得ないし、もし守ってないことが明るみに出た場合は法に基づいた民事係争手続きによるしかるべき処置や補填を求めることなどもできる。つまり何が言いたいかというと、一般的に非営利より営利の方がある程度セキュリティレベルや財務の健全性などが保証されている場合が多く、また利用者の権益も法律によって保護される場合が多いということだ。これは一般のイメージとは真逆かもしれないが、非営利というのは口で割と出まかせを言って何とかできる範囲が大きく、実際それは度々問題になっている。ビジネスでやってるところはそれなりにセキュリティや財務健全性にも力を入れている。それは入れざるを得ないからなわけだが、非営利ではそこがおざなりになりがちだ。ま、もちろんビジネスでやってるから安全とか、ビジネスでやってないからやばいという話ではないが、一般論として個人的にはビジネスでやってもらった方が信頼が持てる。そこは課題なのか?と思う人も多いだろう。ただ、Fediverse 全体として商用サービス化への忌避があると思っていて、それは逆に安定的で信頼のあるプラットフォームを築くための障害になるだろうなという感じだ。実際、今の Fediverse の管理者には、「自分は苦労して何のメリットもない管理者を買って出ているのに、なぜ更なる苦労を強いられなければいけないんだ」とか「メリットを自分で作ってもいいだろう」という声を持つ人もたまにいることを観測している。これは真っ当な感想であり、僕は1ユーザにしか甘んじていないためあまり強く言える立場ではないのだが、こういう動機からえてして色々な線を越える行動に出る個人や団体は多いというのが現実だ。これは善意と努力で行われている場合、ふとした弾みにより暴発しやすく、法的責任もない場合が多いのでそのまま有耶無耶になりがちだ。このようなことが起こりやすい土壌は、サービスとしてあまり健全ではなく、世間一般にあまり受け入れられてほしくはないと僕は思っている。世間一般に受け入れられるには、ちゃんと信頼性のあるサービス運用と健全な財務に力をいれて、正当な手続きを用意する手間を惜しまないプラットフォームであるべきで、そういうプラットフォームであるには専任で時間を使う人たちが必要で、専任で時間を使うには金と保証が必要だ。これは善意と献身によるサービス運営では、あまり実現できないだろう。もし、Fediverse が世間一般に受け入れられることを目指しているなら、個人的にはこの課題は解決してほしいと思う。

まとめ

というわけで、Mastodon を始めてからの振り返りと、魅力と課題についての紹介だった。ま、とりあえず Mastodon は楽しい。Misskey も楽しそう。

Twitter は多分アカウントはそのまま当分なんかあるまで残すけど、呟くことはないかなという感じ。Fediverse 崩壊しても Twitter 以外に流れそう。大したこと呟いてないが、興味あったらフォローしてくれ (https://social.vivaldi.net/@mizunashi)、よろしく。では、今回これで。

[1]https://docs.joinmastodon.org/ja/user/posting/#privacy
[2]https://togetter.com/li/1101173